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内容（「CDジャーナル」データベースより）
21世紀前半のピアノ界を背負って立つキーシンによる、1900年前後の祖国ロシアの作品集。
高度な技法を必要とする作品から内面性や抒情性を求められるものまで、キーシンの幅広く深い音楽性が詰まった1枚。

内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
ロシア音楽ファンにはたまらない選曲のアルバムだが、いずれもすばらしく、それぞれの曲のトップクラスの名演となっている。
繊細で柔らかな音と自在なルバートに彩られたスクリャービンの3番は、暗く病的な情念よりもむしろ高貴な哀しみを感じさせる。
特に第3楽章の透明な美しさは格別だ。
近年再評価の著しいメトネルは、退嬰的な、しかし抗いがたい懐かしさに満ちた叙情を、この上なくデリケートに注意深く紡いでいく。
この今にも壊れそうな儚い美しさはキーシンの独擅場だろう。
『ペトルーシュカ』はまさに圧巻だ。
有名な「ロシアの踊り」もいいが、キーシンの本領はそれ以降にある。
「ペトルーシュカの部屋」での多彩な音色を駆使した奥行きのある表現、そして「謝肉祭の日」の5連符6連符11連符の見事な粒立ちとシャープなリズム感、いずれも唖然とするほど鮮やかだ。
曲の大詰め、耐え難いほど緊張感を高めて一気になだれこむ幕切れは圧倒的だ。
(増田良介) --- 2005年10月号