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Amazon.co.jp 熱心なニュー・オーダー・マニアには、今回発売の4枚組ボックス・セット『Retro』を中途半端なレアトラック集と疑うファンもいるだろう。
確かに過去にはそういう作品もあった。
「Run 2」、「MTO」、「Video586」、Western Works時代のデモ集、BBCやテレビ出演時の録音集、そして悪名高き「Ceremony」のブルー・リボン・カラー盤など。
しかしこの『Retro』は心配ご無用。
ジャーナリストのミランダ・ソイヤーがおなじみのヒット曲を選曲したディスク1『Pop』。
同じくジャーナリストのジョン・マックリーディーは「Elegia」から後期のスローナンバー「Run Wild」までアルバムの重要ナンバーをディスク2『Fan』にセレクト。
どちらもうならせる選曲だ。
さらに「Temptation」と「Confusion」のオリジナル・フル・バージョンが復活(『Substance』では代わりにリミックス・ヴァージョンが収録されていた)。
さらにうれしいことに、不評だった「State Of The Nation」と「Subculture」の雑な12インチバージョンもカットされた。
ジョイ・ディビジョン時代(それにしても彼らの幻のサード・アルバムとはどんな出来だったのだろうか)の「Ceremony」と暗く悲しい「In A Lonely Place」の2曲は今もニュー・オーダーの代表曲だが、ニュー・オーダーとしての真のスタートはジョイ・ディビジョンからの過渡期とも言える1981年に発表した「Everything’s Gone Green」だろう。
この曲で彼らは陰気な歌詞(孤独、混乱といった言葉)の羅列と刺激的なエレクトロニック・ビートを融合してみせたのだ。
それは彼らのその後の方向性になっただけではなく、音楽全体の方向性を提示していたのだ。
その2年間にニュー・オーダーは新型のリズムマシンと格闘し、ロック史上5本の指に入る名曲「Blue Monday」を作り上げたのである。
この『Retro』はニュー・オーダーが無口で顔色の悪い内気な集団から、親しみやすくメディアの注目を浴びる快楽主義バンドに変わっていく全記録である。
マイク・ピッカリングの独断で選んだリミックス集(ディスク3)とボビー・ギレスピー(プライマル・スクリーム)のブートレグ趣味的ライヴ集(ディスク4)も素晴らしく、選曲にうるさいニュー・オーダー・コレクターにとってもマストアイテムであること間違いなしだ。
(Jerry McCulley, Amazon.com)
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最終調査日時
2013/04/21 (Sun) 04:28:35
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2013/04/21 (Sun) 04:28:35
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