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アーニー・ディフランコ13枚目のアルバムは、2枚組全29曲収録の大作。
2枚のディスクにはそれぞれ「revelling（大騒ぎ）」「reckoning（清算）」という、内容を一言で言い表すようなタイトルが付けられている。

「revelling」にはファンクやジャズのテイストを盛り込んだ、幾分実験的な楽曲が並べられており、「reckoning」は彼女の弾き語り的なシンプルな楽曲が中心。
とはいえ両盤に共通して見られるのは、内省的な、非常に落ち着いたトーンだ。
お得意のパンキッシュで切れの良いリズムギターや感情をストレートにぶつける歌唱法はやや影をひそめ、代わりにより深い表現へと向かうアーニーの志向が前面に現れている。
特に「reckoning」ではその傾向が顕著。
ティム・バックリーやニック・ドレイクを連想させるような、ロウでパーソナルな歌がずらりと並ぶ。

このアルバム発表から1か月後にはあの連続多発テロ事件が勃発し、パニックと愛国的な熱狂が全米を包み込む。
そんな状況下ではこのようなパーソナルな歌はとかく見過ごされがちだ。
しかし、ふと立ち止まって自分の足元を見つめたいときに聴きたくなる、本作のような作品の価値を忘れたくない。
（今井直也）
内容（「CDジャーナル」データベースより）
アーニー・ディフランコのニュー・アルバムは，バンド中心の{レヴェリング}，彼女のギター中心の{レコニング}の2枚組。
あふれんばかりの創作意欲が多彩な音楽性から感じ取れる作品だ。