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サンプリングによく使われるエレクトロニック・ポップのパイオニア、シルバー・アップルズは、とてつもない影響力をもった常識はずれの2枚のレコードを1968年と69年にリリースすると、その後姿を消してしまった。
シルバー・アップルズはサイケデリック全盛の1967年、ドラマーのダニー・テイラーと原始的なシンセを操るシメオンがニューヨーク・シティで結成したグループ。
おもしろいことに、シメオンは自作のシンセをザ・シメオンと名づけた。
テイラーはポリフォニーの発電所のような男。
どこまでもループしていくテイラーの演奏は、アップルズの実験的な音楽を推進させる原動力だった。
アップルズの音楽の特徴といえば、自然音の断片、奇怪なヨーデルのようなハイ・ピッチの歌声、ひょっこり出てくるバンジョー、そして――これがいちばん重要なのだが――何かを叩いているようでもあり、羽音のようでもあり、警報のようでもあるザ・シメオンのサウンドの美しさだ。
この2つのアルバムは、前衛的なセンス、ポップなメロディー、フォーク・サイケの構造、凝りに凝った歌詞、重たいパーカッションを奇妙かつ誠実なやり方でミックスしたもの。
言葉で説明するのは難しいが、当時最も時代を先取りしていたプログレ予備軍の音楽と並んで高く評価できる、独特な音楽なのだ。
アップルズは90年代半ばに再結成されて熱烈に迎えられ、多くのオマージュを捧げられた（スペースメン3、ロウ、ステレオラブがアップルズの名を挙げたり、それ以上の称賛をしたりした）。
しかし、よくある話ではあるが、再結成してからの録音にそれほどの意義はない――このCDが1枚あれば充分だ。
面倒くさがり屋の電子系ミュージシャンは、このバンドからサンプルのネタをちょうだいするといい。
もっとも、もうみんなやっているけれど。
（Mike McGonigal， Amazon.com）
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Oft-sampled electronic pop pioneers the Silver Apples released two exceptionally influential， off-kilter records in 1968 and ’69， then apparently vanished. The group was formed in New York City in the psychedelic heyday of 1967 by drummer Danny Taylor and protosynth player Simeon， who quaintly named his hand-built instrument the Simeon. Taylor was a powerhouse of polyphony and his looping， loping playing is the engine that drives the Apples’ experimental music， characterized by snippets of found sound， weird and warbly high-pitched singing， stray banjos， and--most importantly--the battering， buzzing， bleeping beauty of the Simeon synth. The two albums are a bizarre， sincere mixture of avant-garde sensibilities， pop melodies， folk-psyche song structures， overwrought poetry， and hefty percussion. It is difficult-to-describe， signature music that ranks high alongside the most forward-thinking avant-prog. The group got back together in the mid-’90s， spurred on by the enthusiasm that many acts showed for their music (the group has been name-checked and more by Spacemen 3， Low， and Stereolab). But as is often the case， the reunion records just don’t quite cut it--this one CD has everything you need. Lazy electronic musicians are encouraged to sample the heck out of this band; you won’t be the first. --Mike McGonigal