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出版社/著者からの内容紹介 〔パムク文学のエッセンス〕
和久井路子
昨年10月のノーベル文学賞発表(ノーベル賞受賞はトルコ人初)を受け、この
2年余りのあいだに行われたオルハン・パムクの講演3本をまとめた『父のトラン
ク』がトルコで緊急出版された。
パムク自身の言葉によって、パムクの文学観、作品誕生の秘密、そして「東」
と「西」の架け橋の国トルコならではの繊細な政治感覚が語られるこの作品を、
日本語の読者にも早速お届けしたい。
〔何10年ぶりの素晴しい受賞講演〕 「父のトランク」は昨年12月のノーベル文学賞授賞式の3日前にスウェーデ
ン・ノーベルアカデミーにおいて行われた記念講演---痰瘢蜴-癘--ぢ狽フ翻訳であ
る。
これは『環』号に掲載され、読んで感激された多くの方々から、単行本化へ
の強い要望が寄せられていた。
英語は母国語並みのパムクだが、この講演はトルコ語ですると、昨年11月のト
ルコの全国紙『ミッリエト』のインタビュー(本書所収)で語っている。
「それ
が一番自然だから、なぜなら自分はトルコ語の中で暮して、トルコ語で書いてい
るのだから。
トルコ語は自分の色で、自分の全てである」と。
会場では4か国語
の翻訳が配布された。
講演がトルコ語であったこともあって、トルコのテレビは
3局が1時間にわたる講演を最初から最後まで中継放送し、人々はテレビの前で釘
付けになった。
裕福な実業家の息子であった父親は、土木工学を学んだが、本
が好きで、文学者になりたかったにもかかわらず、ならなかった。
その父親が亡
くなる2年前に、息子の仕事場に、詩や、翻訳や、小説の断片、日記など彼が書
いたものの詰まったトランクをもって来た。
父親は、厳しく、辛い、孤独な文学
者としての人生よりは、友人たちに囲まれた幸せな、安楽な人生をえらんだの
だった。
子どもたちが気に入らないことをしても眉ひとつ顰めることのなかった
父親、いつも陽気で、幸せで、人生の不安や辛さを感じたことのないと思われて
いた父親に息子が垣間見た、文学をする者が見ているあの暗い心の深奥。
22歳の
息子がエリート大学の建築科の三年生の時、大学をやめて小説を書きたいと言い
出した時、ただひとり反対もせず、その後の10年間の生活を支えてくれた
父親は、息子の処女作をどう読んだのか......。
父のトランクをめぐる思い出
に始まって、文学とは、作家とは何か、どのようにして作家になるか、ものを書
くということの意味、人生とものを書くこと、なぜ書くのかについて自身の原点
を語る珠玉の言葉がみられる。
それはまた作家の忍耐とその秘密を、深く語る
ものである。
いつ来るかもしれぬ霊感の天使をただ待つのではない。
「針で井戸
を掘る」というトルコのことわざのような努力と忍耐があるのだ。
自分が子どもの時、家にあった父親の書庫から見た文学の世界の中心はイスタ
ンブールから遠いところにあったが、いまやその中心はイスタンブールであると
いう。
「世界」レベルの文学賞とされるノーベル文学賞において、パムクが問い
かけたのは、世界の中心とはどこであるのか、ということであった。
この講演は、ノーベル賞受賞講演の中でも何10年ぶりのすばらしいものであっ
たと評判になった。
〔地域から世界へ〕 日本語版では特別に、作家・佐藤亜紀氏との来日特別対談(2004年秋)と2006
年11月『ミッリエト』紙に掲載された授賞式直前インタビューも収録される。
2004年の初来日時に収録された佐藤亜紀氏との対談では、作家同士ならでは
の、執筆上の細かなエピソードが披露される。
作品タイトルの決定に苦労すると
いった話も微笑ましい。
ノーベル賞発表後、翻訳された言語は49か国語に上った。
ほとんどの国でも、
出版社は5、6版をかさねたという。
邦訳も刊行されている『雪』は総計150万
部、『わたしの名は紅』は100万部売れたという。
話題作『イスタンブール』の
邦訳刊行を間近に控え、本書はパムクの思想と作品世界を知るうえでの恰好の手
引きとなろう。
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最終調査日時
2015/09/27 (Sun) 00:26:06
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2015/09/27 (Sun) 00:26:06
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在庫あり。
2010/10/25 (Mon) 11:50:57
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