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日本を代表するメーカーには、ほとんどすべての部品を社内で製造する「垂直統合生産」を誇る会社がまだ少なくない。
しかし、パソコンなどのエレクトロニクス製品のメーカーをはじめとして世界のメーカーの潮流は、製造工程をアウトソースする「水平分業生産」へと移行していると著者は言う。
そして、エレクトロニクス・メーカーの製造を請け負う企業であるEMS（エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービス）が、製造業の世界を大きく変えようとしている。
1990年代後半からは設計、部品調達、物流、製品修理に至るまで、あらゆる業務をカバーするようになっており、「影のメーカー」や「製造業の黒子」といわれていたEMSが製造の主役になっている。
なぜ、EMSはこれほどまでに躍進したのか。
本書では、EMSが高度な技術力とグローバルな事業展開力を持つに至った経緯を説明するとともに、技術革新と需要変動にすばやく対応し、コスト削減と財務体質の改善に努めなければならないメーカーが、生き残りをかけてEMSとのパートナーシップを組む背景が語られる。
EMS産業に関するまとまった本は、著者の知る限り「英語でも日本語でも出版されていない」と言う。
つまり本書は、EMSの全体像を紹介する日本で（もしかしたら世界でも）初めての本なのである。
メーカーで働く人にとって必読の書といえるだろう。
（坂井 誠）
出版社/著者からの内容紹介
メーカーに代わって設計・生産・物流までをトータルに請け負う’影のメーカー’EMS。
その実態とEMS導入の手法を紹介。

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