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From Publishers Weekly サトラピの自伝的長編漫画の1巻目では、戦争体験やイラン・イスラム革命、宗教弾圧、そして親しい友人たちの処刑が描かれていた。
この第2巻にはトラウマ的な出来事はあまり登場しないが、より微妙な味わい深さがあり、そしてある意味ではより感動的でもある。
リベラルで知的なサトラピの両親は、宗教警察から逃れて教育を受けさせるために、娘をテヘランからウィーンへ送り出す。
反抗的だが傷つきやすい10代のサトラピは、俗世的な自由の落とし穴を経験する。
支援団体を持たないサトラピは学校で苦労を重ね、不良たちの仲間となり、やがてボーイフレンドのためにドラッグを売るようになる。
そしてついには、ホームレスとして路頭に迷ってしまう。
イランへの帰国を余儀なくされたサトラピは、ふたたびベールを身に付けざるをえなくなるが、超現実的なまでの故郷の抑圧のなかで生きる術を学んでいく。
たとえば、サトラピがバスに乗るために走っていると、宗教警察が走るのはやめろと言う。
尻が「卑猥な」動きをしないように、というのがその理由。
「だったら、私のお尻を見なきゃいいでしょ!」とサトラピは腹立たしげに答える。
本書の根底にあるのは、サトラピと両親との関係だ。
両親は娘を信用するあまり、彼女が誤った判断をして自己中心的な芸術家と結婚するのを許してしまう。
サトラピの絵は一見するとシンプルだ。
だが、そのラインの丸みは、さまざまな感情を表現し、微妙な人間性を見事に捉えている。
深く胸を打ち、断固たる精神を持つ本書は、普遍的な洞察に満ちた成長の物語だ。
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