ばいちょ(売価調査)、価格比較とネットでのお買い物を楽に

Amazon.co.jp 柔らかく自然な潤いのある弦。
どっしりと腰のすわった骨太のティンパニ。
調和のとれた上質なハーモニーでしかも迫力たっぷりのブラス。
チェリビダッケ時代のミュンヘン・フィルの究極のブルックナーを知る人にとっても、予想以上に感動的な演奏である。
巨匠チェリビダッケと一心同体の楽器だったミュンヘン・フィルがこれほどまでに、その力を健在に保っていたとは、なんと嬉しい驚きだろう。
懐深く、悠然たる風格に満ちた、極上のブルックナーがここにはある。
しかもティーレマンの若々しさと筋肉質な覇気が加わり、自然なスピード感で音楽の流れも滑らかだ。
82分の演奏時間だが1枚に収録されたおかげで、この偉大な交響曲が一気に通して聴けるのもありがたい。
第1楽章冒頭の静粛なピチカートによる開始から、第4楽章の一気呵成に頂点へと上り詰めるクライマックスまで、その劇的なドラマと高揚感は誰もが手に汗握るに違いない。
7年もの長期契約を結んだ期待の新音楽監督クリスティアン・ティーレマンの気迫に満ちたタクトは、ミュンヘン・フィルと相性ぴったりである。
本作は、1985年に本拠地ガスタイクの?落としでチェリビダッケによって演奏されるなどミュンヘン・フィルと縁の深いこの曲を、2004年秋の就任披露演奏会でティーレマンがとりあげたときの記念すべきライヴ録音。
ドイツ指揮界を担う本格派ティーレマンと名門ミュンヘン・フィルの今後の共同作業の実りの多さを予感させずにはおかない。
（林田直樹）