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Unix系OSには強力なシェルが実装されている。
対話型のCUIとして、各命令を織り込んだ処理を手軽に行うことができ、テキスト処理も高度にこなすことができる。
しかし使いこなすまでにはちょっと努力がいる。
高度な機能を持つがゆえに覚えるべきこともまた多いからだ。
本書はUnixのシェルを解説したものだ。
汎用性を重視し、Unix系OSが必ず実装しているBシェルを題材として扱っている。
入門書であるため、基礎部分の解説が充実しているのが特徴で、エスケープ文字などのシェル特有の文字の扱い方や変数の扱い方、リダイレクションによるファイル操作や環境の操作などに、3分の1ほどの紙数を割いている。
中盤からは、sedによるフィルタの使用の解説、数値計算やfor文やwhile文などの便利な機能の解説、そしてシェルスクリプトのデバッグの手順と手法を取り扱っている。
章の構成はテクニックや実用性を重視しており、シェルスクリプトでの引数処理やパラメータ引渡しといったテクニックを1つの章で解説し、またシェル関数の例とシェルスクリプトの例もそれぞれ独立した章として用意しているなど、応用部分も押さえやすくしている。
各章では、使用頻度の高いテクニックを多く掲載しており、それぞれきちんと段落番号で区分しているので、索引から引くことも容易だ。
巻末には、付録として各Unix系OSのシェルの差異、記述法の一覧が収録されている。
基本部分から非常に詳細に書いているので勉強に向いたつくりである。
またシェルで良く使われる機能のコードが多く含まれているので、実際にシェルスクリプトを書くときに役立つのも魅力だ。
ただしBシェル以外のスクリプト言語の紹介があまり多くないので、拡張性に少々乏しいかもしれない。
また、本書をよく理解するには、Unixのシステムに十分習熟している必要があるだろう。
Unixにある程度慣れ、シェルを学びたいと考えている方におすすめ。
(斎藤牧人)
出版社/著者からの内容紹介
◆UNIXシェル入門書のロングセラーが改訂◆
すべてのUNIXユーザのためのシェル使いこなし術。
UNIXの初心者にもわかるように、シェルの使い方とシェルスクリプトの書き方をやさしく解説。
Linux、FreeBSD、Solarisの最新バージョンを対象に、さらにわかりやすくなってロングセラーが改訂。
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2016/03/13 (Sun) 00:43:23
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