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ブックレビュー社 万能医と言われる精神科医。
しかし等身大の職業人としての精神科医を描くと同時に，精神障害についても解説
「人間の心の中が読み取れる」と言われ，敬遠される精神科医。
しかし，精神科医とて人間であり，患者の話を聞き，精神障害を治そうと薬を処方する，普通の職業人に過ぎないと筆者は力説する。
精神障害の原因がはっきりせず，話をして薬を処方する以外に何もしないので，精神科医は「何も知らず何もしない」で，患者を説得せねばならず，「ウソツキ」とも言える。
精神科医には向精神薬などの薬のみで治療する「生物学派」と，話をして問題解決をし治療する「精神論派」の2つに分かれるが，両者とも治る割合は同じくらいだ。
そして，日本人の4人に一人が精神障害になるほど，発病率が高い。
この精神障害が発生する「脳」は，外部からの情報入力によって動揺し，学習する器官であり敏感である。
また脳は同じ環境で育っても影響の受け方は異なる。
しかし，精神障害は精神科医に診てもらい，よくなる確立はいまや高い。
精神科医のできることはそれほど多くなくても，患者の状況好転に寄与する例も多い。
そんな精神科医の素顔を描いた一冊は，説得力がある。
(ブックレビュー社)
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