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日経ビジネス 「組織IQ」活用を説く
副題は「eビジネス時代の覇者の条件」。
変化の速いeビジネス時代を生き抜く「スマート(知的な)カンパニー」になるための指針を示す。
そこで取り上げるのが「組織IQ」という概念。
組織IQとは、情報の取り入れ方や意思決定の仕組み、情報共有化の仕組みを基に、企業の能力を定量化して表す尺度だ。
著者の1人であるヨハネス・ジーグラーは企業の組織IQを測定し、改善するコンサルティングを行うシネシス社の社長。
同社の分析によると、組織IQが高い企業と低い企業では成長率や収益性に明確な差が出る。
本書はその実態を詳しく紹介している。
さらに、実在のモデムメーカーへのコンサルティング事例を取り上げながら、組織IQの改善策を披露する。
その中身は、外部の情報を進んで取り入れること、それを社員間で共有すること、予算や意思決定の権限を現場に下ろすことなどで、経営手法としては、必ずしも目新しいものではない。
だが、ライバルに比べ、自社のどの能力が劣っているのか優れているのかを定量的に知り、改善に努められるというのは経営者やマネジャー層にとって福音。
一読の価値があるだろう。

(日経ビジネス2000/5/1号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
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